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館長からの挨拶

福岡市科学館 館長 矢原徹一_g.jpg

 福岡市科学館は、「人が育ち、未来をデザインしていく科学館」という理念の下で、2017年10月にオープンしました。私は2020年10月から館長に就任し、3年間の実績・成果をさらに発展させるお手伝いをさせていただいています。2020年は、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、感染者が3000万人を超え、死者が100万人を超えるという、人類史上特筆すべき困難に直面する年となりました。この困難の中で、科学の知識がこれまで以上に市民にとって必要とされています。ウイルスと細菌の違い、免疫のしくみ、飛沫粒子の性質、石鹸やエタノールによる消毒のしくみ、などについて市民が科学的知識を学んで、感染予防に役立てることが重要になっています。福岡市科学館には、市民が日常的に科学を学べる場として、これまで以上に大きな期待が寄せられていると考えています。
科学は私たちにとても役立つ知識を提供してくれますが、一方で科学とは、未解決の謎を解くことなので、理解できればとても楽しいプロセスです。科学を学ぶ楽しさを子供たちや市民が経験できる場として、科学館の活動をさらに発展させていきたいと思います。また科学的な研究は、豊富な知識や理詰めの推理だけでなく、経験や直観による思いがけない発見によって大きく進展することが珍しくありません。10月からスタートするジュニア科学者養成講座・ダーウィンコースでは、子供たちの経験や直観を重視し、疑問を持つ力を育てることで、子供たちが新しい世代の科学者となる道案内をしたいと考えています。 科学館は、市民が主役となって科学を活用し、楽しむことを重視してきました。これからもこの考えのもとに、より充実した科学館の活動を市民のみなさんと一緒に作っていきたいと思います。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

福岡市科学館 館長 矢原徹一

略歴

1954年福岡県生まれ。京都大学理学部卒。東京大学助手~助教授を経て1994年より九州大学教授、2020年3月に退職。同年10月より福岡市科学館館長。著書に『花の性』『決断科学のすすめ―持続可能な未来に向けて、どうすれば社会を変えられるか』『保全生態学入門―遺伝子から景観まで』(共著)。専門は生態学、進化生物学、持続可能性科学。アジア太平洋地域生物多様性観測ネットワーク議長として、国際的な生物多様性観測計画を推進。