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[天文トピック]流れ星を見てみよう!

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流れ星を見てみよう! -星空体験のススメ-

見上げた夜空にふと流れる一筋の光。「あっ、流れ星!」と思ったときにはもう消えていて、次こそは!・・・と、じっと空を見つめていたけれど、次の1つがなかなか流れず、見るのをあきらめてしまった。そんな経験をお持ちのかたもいらっしゃるでしょう。
はかなく消える一瞬の輝き。流れ星は気まぐれです。でも、ちょっとしたポイントを押さえれば、意外に多くの流れ星に出会えるものです。
現在(2023年6月7日から9月11日まで)投映中の、福岡市科学館オリジナル生解説番組『 宙語 そらがた り2023夏 流れ星を見に行こう!』では、流れ星が光るしくみ、流れ星はどのように見えるのか、流れ星と間違えてしまいそうな紛らわしい光の正体、流れ星を見る時に準備するものなど、流れ星の豆知識や観察を楽しむためのコツをご紹介しています。夜空を見上げて流れ星を探してみませんか?

- 流星群 りゅうせいぐん -

いつもよりたくさんの流れ星を見たいのであれば、やはり流星群の日がおススメです。この夏は、三大流星群の1つでもあるペルセウス座流星群が比較的良い観察条件になっているようです。
地球全体でみると、流星群自体の活動が最も活発になる「 極大 きょくだい 」は2023年8月13日17時頃(日本時間)と予想されています。しかし、この時間帯は日本ではまだ太陽が空にあるため観察できません。極大前後の夜には、それなりに多くの流れ星が見られるでしょう。明け方には月が上ってきていますが、新月前の比較的細い月ですので月明かりの影響はあまりないと思われます。


ペルセ群放射点


流星群には、「ペルセウス座流星群」のように星座の名前がついています。その流星群に属する流れ星は、天球上の一点から放射状に飛び出すように見えます。その点のことを放射点(または 輻射点 ふくしゃてん )といい、流星群には、その放射点付近の星座の名前がつけられています。ですが、流れ星は空全体に流れますので、放射点の方向にはあまりこだわらず、できるだけ空が開けた場所で、広い範囲を見渡すようにしましょう。明るい流れ星であれば街中からも見える可能性がありますが、街明かりの影響の少ない場所のほうが当然見える流れ星の数は多くなります。安全に注意しておでかけください。

現在(2023年6月7日から9月11日まで)投映中の、福岡市科学館オリジナル生解説番組『 宙語 そらがた り2023夏 流れ星を見に行こう!』をご覧いただいたかたには、科学館スタッフ手作りの「流れ星ハンドブック」をプレゼントしています。流れ星を見る時に準備するものや観察を楽しむためのコツなどをご紹介していますのでぜひご活用ください。
(数は十分に用意しておりますが、なくなり次第配布終了とさせていただきます。)

-流れ星の正体-

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流れ星には「星」という文字が入っていますが、星(天体)ではなく、物理現象です。流れ星のもとになっているのは、流星物質とよばれる小さなチリの粒で、ほとんどは数ミリメートルほどの大きさです。流星物質は、太陽系の中にある小惑星や 彗星 すいせいい のかけらがもとになっていると考えられています。


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このチリ(流星物質)が、高速で地球の大気に飛び込んできたとき、大気の中の原子や分子と衝突して、大気やチリの成分が光を放ちます。これが流れ星として私たちの目に見えるのです。
ペルセウス座流星群の流星は、流れるスピードが速く、また途中で急激に明るくなることがあります。また、明るい流星や火球が多く、薄雲を通して見えたという報告もあります。空に多少雲があってもあきらめずに流れ星を探してみてください。

流星群のもとになっているチリ(流星物質)をもたらす天体を「 母天体 ぼてんたい 」といい、そのほとんどは彗星です。ペルセウス座流星群の母天体は、スイフト・タットル彗星という、133年おきに太陽に接近する周期彗星であることが分かっています。

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彗星が太陽に近づくと、彗星からチリや氷が蒸発して長い尾ができます。彗星は太陽に近づくたびにその通り道にチリを残していきます。このチリの道がダストトレイルです。彗星の中には、その軌道が地球の公転軌道を横切るものがあります。地球は1年かけて太陽の周りを回っていますので、1年の中の決まった時期に必ずそのダストトレイル付近を通過することになります。この時、地球はたくさんのチリに次々に衝突します。これが1年の中で決まった時期に見られる流星群となります。


(文:福岡市科学館 学芸員 丹野佳代子)


PROFILE

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丹野 佳代子 たんの かよこ
福岡市科学館 学芸員
福岡市科学館ドームシアターリーダー

佐賀県佐賀市⽣まれ。
佐賀県内公立学校で教鞭をとる。
佐賀県武雄市にある佐賀県⽴宇宙科学館の建設に際しては、プラネタリウム・天⽂台、宇宙関係の展⽰物の設計等をおこなう。
佐賀県⽴宇宙科学館開館後は、科学館に勤務し、宇宙チームのリーダーとして、プラネタリウムや天⽂台の運営、番組制作、教育普及活動をおこなう。
2008(平成20)年、天⽂教育普及に関する業績により、⼩惑星12411に「Tannokayo」と命名される。
佐賀県⽴博物館・美術館の学芸員を経て、現在は福岡市科学館に勤務し、ドームシアターリーダーとして、プラネタリウムの運営・番組制作等にあたっている。 豊富な知識をバックボーンとした⽣解説は、星の語り部として、全国にファンも多い。
プラネタリウム番組のナレーションや番組制作の監修も⾏っている。




福岡市科学館オリジナル生解説番組 Vol.21

宙語り2023夏 流れ星を見に行こう!

[投映期間:2023年6月7日(水)~2023年9月11日(月)]


当番組のご来場者の皆様へ星空パンフレットをプレゼント!(なくなり次第配布を終了します)

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画像をクリックすると、番組の詳細ページ が開きます。



ドームシアター(プラネタリウム)の番組内でも天文トピックを紹介しています


福岡市科学館では、個性あふれる解説員による生解説番組や音楽とコラボレーションした番組など、宇宙をより身近に感じられるさまざまなプラネタリウム番組の投映をおこなっています。一般番組には解説員による今夜の星空生解説があります。ぜひプラネタリウムでも天文トピックをお楽しみください。


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