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[レポート]企画展関連イベント「光る!どろだんごづくり」

どろだんごイベントレポート



皆さんは最近、土にときめきましたか?大人になると、じっくりと土を観察する機会はなかなかないかもしれませんが、「どろだんごづくり」と聞けば、幼い頃に感じた土の手ざわりやワクワク感を思い出しませんか。

福岡市科学館では、2026年1月5日に、埼玉県立 川の博物館 学芸員の森圭子氏を講師にお招きして、企画展「ジオパーク巡回展『地球時間の旅』~はっけん!きみだけのおもジオ~」の関連イベント「光る!どろだんごづくり」を開催しました。


地球時間の旅

2026年1月25日まで開催している企画展「ジオパーク巡回展『地球時間の旅』~はっけん!きみだけのおもジオ~」の会場風景

土は地球と私たちをつなぐ存在

地球がたどってきた長い物語を語るうえで欠かせないもののひとつが、土。地球を構成する岩石などがめぐりめぐって、私たちの足もとにある身近な土となり、様々な表情をみせてくれます。土は、私たちに地球のことを教えてくれる大切な存在です。

地質の魅力を通じて、子どもたちが「私たちの住む地球」について考えるきっかけになればという思いで、埼玉県立 川の博物館の皆様にご協力いただき、今回の特別プログラムを開催しました。


森学芸員1

講師には、埼玉県立 川の博物館 学芸員の森圭子氏をお招きしました。また、当日は特別ゲストとして、川の博物館 元館長の平山良治氏にもお越しいただきました。

土ウォッチング

土


「土」と一口に言っても、さまざまな種類、表情がありますね。私たちの足もとにある土壌は、微生物や動物、植物、水、太陽などが関わって数千年をかけて形成されてきました。その土壌が植物を育て、地球上の生きものを支えています。普段はなかなか目にすることのない足もとの土壌ですが、その大切さ、おもしろさを伝えてくれるもののひとつに「モノリス」があります。


土壌標本「モノリス」とは?

「モノリス」を英語で書くとmonolithで、直接的には「一枚岩」という意味であり、石柱や記念碑を指すときに使われることも。「モノリス」は、土の横顔のような土壌断面(地面に穴を掘り、現れた垂直の断面)をそのまま取り出して一枚の板のようにした標本のことです。

埼玉県立 川の博物館で製作されたモノリスや、モノリスの製作過程の調査時の写真もご紹介いただき、参加者の皆さんは興味深々の様子でした。

地面に穴を掘り、あて布をして、ボンドのようなものをつけて、固まった後に、土の断面をべりべりっとはがして板にはりつける...という手順でつくられているそうです。ありのままの土の断面を見ることができ、土の個性や顔つきの変化がわかりやすいですね。

モノリス

[左]褐色森林土のでき方を示すモノリス[右]日本を代表する3つの土壌のモノリス

褐色森林土のでき方を示すモノリス

土がどのようにできていくかを示すモノリスで、時間が進むにつれて(写真では左から右)、だんだんと土壌が形成されていく変化がみてとれます。石・砂・土の違いのお話を交えながら、土のでき方をご紹介いただきました。岩石がくずれ、下部にある石がだんだんとかたちを変えていき、植物が根をはり、植物や生きものが増えると上部の黒い層(有機物が多い)が厚くなり、だんだんと横顔が変わっていく...という変化がわかります。


日本を代表する3つの土壌のモノリス

日本にある土の中でも特に大きな面積を占める3つの土のモノリスです。

褐色森林土(主に山の土):一番上の層が黒く、その下が褐色の土で、丘陵や山地で見られます。黒い色は落ち葉などがもとになった有機物の色、褐色は岩石が風化して土になってできた色です。

黒ボク土(主に火山灰由来の土):黒い部分が厚く、黒みが強いのが特徴で、火山灰をもとにできた土です。火山の多い日本では、緩やかな斜面や台地の上によく見られ、世界的には分布の限られた土です。九州の鹿児島や熊本の火山灰の堆積による土は特徴的です。

沖積土(主に田んぼの土):川が氾濫して堆積した土砂からできた土で、田んぼとして利用されることが多いです。水の影響で全体的に灰色で、空気の通ったところが褐色の模様として現れます。

光るどろだんごづくり

体験の様子

今回、どんな土を使ったの?

今回のプログラムで使用した土は、関東で採られている「荒木田土(あらきだつち)」という土で、九州でもホームセンターやインターネットで購入することができます。「荒木田土」の「荒」は荒川の「荒」。日本には33の荒川がありますが、今回使用したのは、埼玉県と東京都を流れる荒川沿いで採られた土です。

荒木田土は、川の上流で削られ、下流で川が運んできたものが堆積してできた土で、粘土質で重い土であることが特徴。泥だんごをつくるには、粘土が多くよい土です。沖積土は田んぼとして利用されることが多いですが、荒木田土は盆栽や相撲の土俵でも使われているそうです。


どろだんごづくり

粘土ってなに?

「そもそも粘土ってなんだっけ?」こう思われた方もいらっしゃるでしょうか。
森学芸員は、「粘土は粒のとても小さい土のことです(<2μm)。これは、石がただ細かくなったものではなく、石が長い時間をかけてばらばらになり、さらにとけて、再び小さなつぶとして生まれたものなのです(析出)。粘土は土の中で大切な役割があるのですが、粘土ばかりが多くても、乾くと固くなり、水が多いとぐちゃぐちゃになるという困った土になります。また砂が多いと、栄養がすくなく、水持ちが悪い土になります。ほどよく砂や粘土があり、枯れた植物などが土の中の生きものによって十分にまざりあった土は多くの生きものを育てることができます。」と教えてくださいました。


どろだんごづくり


つくり方

どろだんごには、さまざまなつくり方がありますが、今回は荒木田土を使って水分を調整してつくる方法をご紹介いただきました。作り方をご紹介しますので、当日参加できなかった方はぜひつくってみてください。

1. 材料と道具を準備する

<材料>
・土(今回:砕いて日かげで乾燥させた後、ふるいを通した「荒木田土」120g)
・水(今回:28g)

<道具>
・ふるい(今回:網目2mmのふるい)
・棒と乳鉢(土を砕くときに便利、なければ2mmでふるった土でOK)
・へら(土をまとめるときに便利)
・バットや新聞紙など(汚れが気になる場合の下に敷くもの)
※今回のプログラムでは、事前に準備していただいたさらさらな状態になった荒木田土を使うところから作業を始めました。

どろだんごづくり

2. 土に水をかける

砕いた土と水をバットの中に出して、土の上に水をかけます。

どろだんごづくり

3. よくまぜて、こねて、かたちを整える

土に水がなじむよう、むらがないように全体を混ぜます。よくこねて、丸い形に整えます。こねるときは、ハンバーグをつくるようにして、空気をぬくようにペタペタと手にうちつけるのがポイントです。土が乾いてまとめづらくなれば、手を濡らしてまとめてみましょう。ここでなるべく丸く形を整えると仕上がりがよくなります。

どろだんごづくり

4. 乾かす

固くなるまで1日〜数日間、ときどき上下を変えながら日陰で干します。急ぐ場合は電子レンジを使うこともできます(1回30秒、熱くなるので注意)。

どろだんごづくり

5. けずって、みがく

どろだんごがしっかり固くなってきたら、ビンの口にどろだんごをあててけずり、まん丸にしていきます。最後に、フィルムケースまたは化繊の布(ストッキング)もしくはスプーンのウラを使ってみがいて、できあがりです。

※穴が気になったら、けずりかすの土を水でつけて埋めましょう。
※調整のために水で少しぬらすのはOKです。

どろだんごづくり

ピカピカな光るどろだんごが完成!今回は1時間半のプログラムということで時間が限られていましたが、ご自宅でも磨き続けると、少ししっとりとしている数日のうちは、磨くほど光ってきます。



参加者の感想(一部)

・埼玉県立 川の博物館から、じきじきに先生にお越しいただき、企画展と関連した参加型企画が考えられていて素晴らしかったです。良い体験でした。

・子どもが楽しそうにしていたこと。土の説明も大変おもしろかったです。

・土はどうしてできたかの勉強になりました。興味ありました。

・いつも手にまとわりついてくるような泥があんなにツヤツヤになるなんて、思いもしませんでした。

・こねるということ自体楽しかったです。

・みがくところが楽しかった。

・光ってびっくり。

・手で実際にさわって、子どもが集中してとりくんだ。

・電子レンジを使うところにびっくりした。

最後


今回のプログラムでは、体験を通じて土について学び、土と地球、私たちのつながりを感じていただきました。今回は土をテーマにしましたが、分野を超えて、さまざまなものが私たちの住む地球について教えてくれます。企画展「ジオパーク巡回展『地球時間の旅』~はっけん!きみだけのおもジオ~」をぜひご覧いただき、「私たちの住む地球」について考えるきっかけになれば嬉しく思います。
ご参加いただいた皆様、埼玉県立 川の博物館の皆様、ありがとうございました。





企画展「ジオパーク巡回展『地球時間の旅』~はっけん!きみだけのおもジオ~」

地球時間.jpg


地球のことがもっと好きになる!

目の前に広がる風景も、その中で暮らす生きものたちも、そして私たちが紡いできた文化や伝統も、地球がたどってきた長い物語と深く関係しています。全国のジオパークから集めた美しい岩石や景色だけでなく、福岡産出の岩石・鉱物、植物標本や地域の特産品を通して、見慣れた景色がちょっと違って見えてくる!?きみだけのおもジオ ~地球の魅力を見つけましょう!
※本巡回展は令和5・6年度innovate MUSEUM事業(文化庁)の助成を受け実施しています。
企画展「ジオパーク巡回展『地球時間の旅』~はっけん!きみだけのおもジオ~」
2026年1月25日まで / 9:30~21:30 / 福岡市科学館 5階オープンラボ / 無料

埼玉県立 川の博物館 『おうちミュージアム』

埼玉県立 川の博物館 WEBサイトの『おうちミュージアム』で、土やモノリスなどについて知ることができる動画(YouTube)が公開されていますのでぜひチェックしてみてください!

埼玉県立 川の博物館(かわはく)YouTubeチャンネルで公開されている動画の一部

かわはくモノリス解説動画2021世界土壌デー(2021年12月2日公開)

かわはくモノリス解説動画2020世界土壌デー(2021年3月23日公開)

国立科学博物館のモノリスの解説(2022年版)(2022年12月2日公開)

\ "かわはく" ってどんなところ?/

埼玉県立 川の博物館


埼玉県立 川の博物館

川を見る、川を感じる、川を知る、体感する博物館

「埼玉の母なる川-荒川-を中心とする河川や水と人々のくらしとのかかわり」を様々な体験学習をとおして、理解してもらおうとすることを目的とした博物館。近年人々にとってきわめて密接な課題となってきた環境保護についても、河川の浄化や水循環の視点から身近な問題としてとらえてもらうことをねらいとしている。その手法として、一方的に情報を与えるのではなく、「楽しみながら学べる体験型博物館」として、誰でも水に親しみながら憩い、楽しく学べる博物館を目指している。


埼玉県立 川の博物館
住所:〒369-1217 埼玉県大里郡寄居町小園39
TEL:048-581-7333


福岡市科学館 4階 サイエンスナビ

サイエンスナビ


足もとの土に目をむけて「土のときめき」を感じたり、わくわくするフシギを見つけたりしたときには、その「もっとしりたい!」を大切にして、ぜひ一歩ふみだして調べてみてください。福岡市科学館4階のサイエンスナビで深掘りしてみませんか。
福岡市科学館 4階 サイエンスナビ / 9:30~21:30 / 無料