[レポート]特別展「カガクノミカタ展」

福岡市科学館では、2025年7月19日(土)から2025年8月26日(火)まで、特別展「カガクノミカタ展」を開催しました。本展をふりかえってご紹介します。


< 自分だけの「フシギ」、見つけよう >
・日常の中に潜む「フシギ」を見つけ出すためのガイドとなる「8つの科学のミカタ(見方)」を提示し、自分だけの問いを見つけるプロセスの楽しさを体験してもらえるよう構成しました。
・展示を通して得られた気づきや新たな視点が、夏休みの自由研究におけるテーマ設定のきっかけや、具体的な探究のヒントとなることを意図して展開しました。
・福岡市近隣の自然環境や周辺企業・団体による資料、館の所蔵品を活用した展示により、身近な地域の魅力の再発見と、自然科学に対する知的好奇心の醸成を図りました。


本展は、身近な物事の中に潜む「フシギ」を捉えるための「科学の見方」をテーマにした展覧会です。会場では、NHKの理科教育番組「カガクノミカタ」の映像やヨシタケシンスケさんのイラストを使用したパネル、学校・家庭にある身近な道具、福岡市近隣の自然に関する資料などを展示。各コーナーで1つの「ミカタ(見方)」に注目した構成により、さまざまな分野を横断しながら「フシギ」を見つける体験ができます。資料や体験を通じて楽しみながら、新しい「ミカタ(見方)」を身につけると、普段見ている景色が少し違って見えるかもしれません。



< 各コーナー紹介 >

靴を脱いでカーペットの上に上がり、歩いたりすわったり寝転んだりすることができるコーナー。「下から見てみる」映像コーナーでは、自由に寝転んで映像を見ることができます。いつもと違う視点で見る(=ミカタを変える)ことを身体を使って体験していただきました。


生活の中で使うものや鉱物など身近なものをじっくりと観察するコーナー。どんな色や形があるか、どんな特徴があるかを探してみることで「フシギ」を見つけることができます。夏休みの自由研究にぴったりな科学実験プログラム「ペンの色のひみつを探ろう」や科学館所蔵の鉱物標本・昆虫標本を展示しました。
※科学実験プログラム「ペンの色のひみつを探ろう」の動画はこちらをご覧ください。


温かそうに見えるけれど実は冷たい、どうしてそのように感じるのか、どうしてそのような構造なのかなど、触って「フシギ」を見つけていくコーナー。さまざまなものを触り、感触の違いから「フシギ」を探すこともできます。福岡市動物園からお借りした仔ジカの毛皮も展示しました。


デジタル顕微鏡やルーペで身近なものを拡大して、肉眼で見るときとどのような違いがあるかを知り、「フシギ」を見つけることができるコーナー。大きくすることで、今まで見えなかった「フシギ」に気づくことができます。チラシや魚のウロコや九州各地の色のちがう砂(提供:福岡石の会)、動物の毛(提供:福岡市動物園)などを観察していただきました。


さまざまなものの断面を見て、どうしてそのような構造になっているのか考えるコーナー。外側から見たり触ったりするだけではわからない「フシギ」を探すことができます。展示には、株式会社アサヒシューズ、anno lab(あのラボ)、福岡教育大学の福原先生、福岡市地下鉄にご協力いただきました。


分解することで、構造やパーツについて知ることができるコーナー。なぜそのような構造になっているのか、なぜさまざまなパーツがあるのかに気づき「フシギ」を見つけることができます。紙コップや空き箱などを自由に分解できる体験コーナーのほか、株式会社コニカミノルタプラネタリウムからお借りしたプラネタリウム投映機の部品などを展示しました。


種子から芽が出て果実ができるまで、セミが土から出て成虫になるまでなど、ものとものの間がどのような姿になっているのか考え、「フシギ」を見つけだすコーナー。株式会社宮島醤油にご協力いただき、大豆と味噌のあいだを考えてみる展示を用意しました。

「メロンのあみ目を考える」コーナーでは、本展に向けて2025年6月から育てたメロンの苗(生体)を展示しました。実は、3階の特別展会場だけでなく、4階でもメロンの生育過程を展示していました。開催期間中には、実際にメロンが実をつけあみ目ができている様子もご覧いただき、「見て、あみ目ができてるよ!」「メロンが育っているところを見るのは初めてだね」という親子の来場者の方の会話も聞こえてきました。


2つ以上のものを並べたり比べたりすることで規則性や違いに気づき、「フシギ」を見つけることができるコーナー。頭骨標本は館所蔵のものを使用しました。音を比べたり重さを比べたりする体験コーナーも設けました。


これまでに体験した観察方法を元にあらゆるものを仲間分けをするコーナー。どんな仲間分けができるか、なぜそのようになるのか考え、「フシギ」を見つけることができます。考えた仲間分け方法は付箋に書いて貼りだし、みんなで共有することができるようにしました。



「フシギ」を自由に貼り出すコーナーでは、毎日さまざまな疑問や展示体験の感想など多くの記入がありました。

子どもから大人の方まで、多くの方から「フシギ」をお寄せいただきました。こちらは来場者の皆さんの「フシギ」の一部です。






本展を開催するにあたり、さまざまな関連プログラムを実施しました。
① キヅキランドで自分だけの「フシギ」をさがそう
② かいてみる 動物の模様の「フシギ」
③ 身近なものを大きくしてみる?電子顕微鏡で「フシギ」発見!
④ ミニ体験ワークショップ「比べてみる」 箱を持ち上げて「比べてみる」
⑤ ミニ体験ワークショップ「比べてみる」 葉脈を「比べてみる」
⑥ サイエンスショー「おっとっと バランスって『フシギ』だね!」
⑦ 関連書籍・クイズコーナー & おはなし会

キヅキランドで自分だけの「フシギ」をさがそう
オンラインツール「キヅキランド」で本展の展示の中からキヅキをみつけました。まずは実験室でタブレット画面の動画を見ながら「気づく」練習をしてウォーミングアップ。その後本展に入場して、気になったフシギを撮影。撮った写真は全員で共有し、自分の写真にキヅキをカキコミした後、他の人の写真にも自分のキヅキをどんどん書いていきました。自分以外の視点での新鮮なキヅキから、発見やアイデアが生まれてきます。新たなカガクの芽がみつかったのではないでしょうか。
(協力:稲盛財団、本田隆行氏)
[開催日]2025年7月22日(火)・8月5日(火) [場所]4階実験室2、3階企画展示室 [対象]未就学児~小学生と保護者


かいてみる 動物の模様の「フシギ」
動物の模様をかいて「フシギ」をさがしました。まずはキリンの模様を考えてかいてみると、「う~ん...どんな模様だっけ?」と参加者の皆さん。実際にキリンを見に行くと「思っていたのと違うぞ」とよく見てかき直したりフシギをみつけたりしました。キリン飼育担当の加藤さんから、「キリンはどこが何色?どんな模様?」などの疑問に対して、身を守る、コミュニケーション、虫よけなどの理由も解説いただきました。他に模様のある動物は?など、どんどんフシギが湧いていた参加者の皆さんでした。
(協力:福岡市動物園、動物情報館 Zoolab)
[開催日]2025年7月27日(日) [場所]福岡市動物園、動物情報館 Zoolab [対象]小学3年生~6年生と保護者


身近なものを大きくしてみる?電子顕微鏡で「フシギ」発見!
2つのタイプの顕微鏡を体験しました。可視光線を使って400~600倍で見る光学顕微鏡に対し、短い波長の電子線を使う電子顕微鏡ではおよそ100,000倍で観察できます。光学顕微鏡では魚のうろこやメロンの花びら、塩などを観察しました。電子顕微鏡でもクジャクのハネを観察してみると...見えるものが全然違い「段々があるね」など夢中になっていました。顕微鏡で「大きくしてみる」と自分の目では見たことのない世界が広がっています。未知の世界って楽しい!もっと知りたい!驚きと感動の体験をしていただきました。
(協力:日立ハイテク)
[開催日]2025年8月8日(金) [場所]4階実験室2 [対象]小学4年生~中学生


ミニ体験ワークショップ 箱を持ち上げて「比べてみる」
重りが入った箱1つを持ち上げる場合と、重りが入った箱1つの下に空箱2つをおいて持ち上げる場合は、どちらの方が軽く感じるのかを「比べてみる」プログラム。同じ重さの箱でも、下に空箱をおいて持つと軽く感じるフシギを体感していただきました。タネあかしをした時の参加者の皆さんの驚きの表情が印象的でした。
[開催日]2025年8月20日(水)・8月22日(金) [場所]3階企画展示室内 [対象]どなたでも


ミニ体験ワークショップ 葉脈を「比べてみる」
フロッタージュ(こすりだし)で葉脈を「比べてみる」体験型のプログラムを実施しました。葉っぱをじっくり観察しながら、フロッタージュをやってみると、「葉脈が全然ちがう!」「なんでここはギザギザなんだ...?」など、身近な葉っぱから発見やフシギが見つかったようです。夏休みの自由研究や、植物に興味をもつきっかけにもぴったりの講座となりました。
[開催日]2025年8月21日(木)・8月25日(月) [場所]3階企画展示室内 [対象]どなたでも


サイエンスショー「おっとっと バランスって『フシギ』だね!」
カガクノミカタのキーワードのひとつ「持ち上げてみる」にスポットをあて、バランスの「フシギ」をテーマに実験ショーを実施しました。重いものを持つ場所により異なる感覚になる実験やモビール実験などさまざまな実験を行い、参加者の方に体験いただく時間も。実験を通して、バランスをとるための方法などについて学び、生活で活かすヒントを得たり、バランスの科学に興味を持つきっかけとなったりする機会となったのではと思います。
[開催]2025年7月19日(土)~2025年10月5日(日) [場所]5階基本展示室内サイエンスショーステージ [対象]どなたでも


関連書籍・クイズコーナー & おはなし会
本展に関連して、サイエンスナビで関連書籍コーナーやクイズコーナーを設けました。サイエンスナビの書棚は基本展示室のテーマ構成と連動して「宇宙」「環境」「生活」「生命」のテーマでもセレクトされており、展示やプログラムで感じた「フシギ」を深掘りすることができます。また、本展と関連した絵本を紹介するおはなし会も開催しました。
[場所]4階サイエンスナビ [対象]どなたでも



- タイトル
- 特別展「カガクノミカタ展」
- 期間
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2025年7月19日(土)~2025年8月26日(火)
※会期中は休まず開館
- 開催時間
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7月19日(土)~7月21日(月・祝) 9:30~18:00(最終入場は17:30まで)
7月22日(火)~8月26日(火) 9:30~19:00(最終入場は18:30まで)
- 場所
- 3階企画展示室
- 料金
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一般 1,200(1,100)円
高校生 800(700)円
小・中学生 500(400)円
未就学児(4歳以上) 200(100)円
3歳以下無料
※( )内は有料30名以上の団体料金
※次の方は、無料で入場いただけます。詳しくは利用料金減免基準をご覧ください。
身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳の提示者本人と介護者1人(コピー可、ミライロID可)。特定医療費(指定難病)受給者証・特定疾患医療受給者証・先天性血液凝固因子障害等医療受給者証・小児慢性特定疾病医療受給者証の提示者本人(コピー可)。
基本展示室とのセット券 販売
特別展「カガクノミカタ展」 と基本展示室の両方を楽しみたいという方に向け、科学館を思いっきり楽しめる、ちょっぴりお得なセット券を販売。
・一般:通常料金1,710円(特別展1,200円+基本展示室510円)
→ セット券 1,560円
・高校生:通常料金1,110円(特別展800円+基本展示室310円)
→ セット券 980円
・小中学生:通常料金700円(特別展500円+基本展示室200円)
→ セット券 580円
※未就学児(4歳以上)は通常料金(200円)での販売
※ご購入当日のみのご利用に限る
※他割引との併用不可
さらに2回目以降のご入場の場合、前回の半券チケットをチケットカウンターでご提示いただくと入場料から100円引きで販売
※1回目の入場が招待券または無料入場だった場合は割引適用外
※提示者本人のみ対象
※他割引との併用不可
- 主催
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福岡市科学館
- 企画・制作
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NHKエデュケーショナル
- 協力
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アサヒシューズ株式会社、anno lab(あのラボ)、コニカミノルタプラネタリウム株式会社、動物情報館ZooLab、福岡石の会、福岡市地下鉄、福岡市動植物園、福原達人(福岡教育大学)、宮島醤油株式会社
