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【レポート】「デジタルファブリケーションは未来をハックする 〜拡張するクラフトとみんなでものづくりの未来を語る〜」開催

2017.02.06

【レポート】「デジタルファブリケーションは未来をハックする 〜拡張するクラフトとみんなでものづくりの未来を語る〜」開催

2017年10⽉、六本松にオープンする福岡市科学館。

たくさんの方に科学を身近に感じてもらうため、福岡市科学館を盛り上げるネットワーク企画のひとつとしてサイエンスカフェが始まりました。サイエンスカフェでは月に1〜2度、福岡の課題を解決するために活躍されている方を講師に招き、トークセッションや講演を行っていきます。

2月6日(月)19時より、BIZCOLIにて、サイエンスカフェvol.03「デジタルファブリケーションは未来をハックする 〜拡張するクラフトとみんなでものづくりの未来を語る〜」を開催しました。

慶應義塾大学(SFC)の特任教授、山岡潤一さんをお招きし、「デジタルファブリケーション×科学×本」をテーマに、サイエンスカフェを開催しました。

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デジタルファブリケーションとは、3D造形ができる3Dプリンタやレーザー光での加工ができるレーザーカッターなどを使ったモノづくりのことで、手軽に自宅でのモノづくりができ、このようなデジタル機器の普及により、今後、一人1台の未来が来るともいわれています。

今回のサイエンスカフェは、山岡さんの作品を中心に、デジタルファブリケーションの事例紹介、新しい取り組みについて、ご紹介していきます。



■NeonDough
つなげる、ちぎる、伸ばすなどの操作によって、色が混ざっていく粘土インターフェースです。粘土は、小麦でできていて口に入れても安全な仕様となっています。手遊びと目での変化を感じることができます。



■MiragePrinter
3Dプリンタでの造形中にモデリングを設計できるシステムです。
造形の奥に3Dデータが表示されていて、スタートレックの世界でもバーチャルな像が出てくるのに近いですね。
頭を動かしてもステージの上に、像があるように写るような仕様で、
コップの取っ手を作りたい時に、直接プリントすることも出来ます。

これまでは、3Dプリンタでの出力中、やり直すことができず、大変手間がかかっていました。
途中でやり直しが出来るので、修正や計画の変更もスムーズに行うことができます。



■WalkingTree
動力はソーラーバッテリを使った、四足歩行の自立型ロボットです。拾ってきた棒やペンを脚に装着することができ、また、ソーラーバッテリを使っているので、植物の生育をおこなうことができます。2017年中に販売されるのかもしれません。

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後半は、質問タイムと一緒に、参加者同士のディスカッションもおこないました。
参加者同士が、新しいモノづくりに対する考え方を共有する場面も見受けられました。

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モノづくり技能のデジタル化や伝承についてのご質問が多く、伝統的な技能の引き継ぎ、再現性について、関心の高さが伺えました。この他に、伝統工芸や学校教育などで、結果だけを教えているのではなく、しっかりとプロセスを見せて、プロセスから学べる社会に変わっていくお話も大変興味深かったです。

山岡さんの研究に入られたきっかけは、
家庭環境にあったそうで、おじさんが陶芸家、おじいさんが大工と、デジタルとは無縁であったものの、モノづくりをする環境にあったそうです。現在では、工学、デザイン、アートを複合的なテーマとし、モノづくりとデジタルファブリケーションの未来を研究されておられます。

最近の研究では、食べ物をつくる、家をつくる、月の砂をつくる、生き物をつくるなど、これまでの、素材を組み合わせするモノづくりから、素材をつくるモノづくり研究も進んでおり、生物系の研究者も一緒になって開発をすることもあり、わたしたちの創造を遥かに越えた未来がすでに動き出していました。

今回参加してみて、モノづくりはデジタルファブリケーションに進化し、さらにその領域は広がり、少し先の未来を想像するだけでもワクワクしちゃいますね。福岡にはたくさんのファブラボがありますので、ご自宅の近くのファブラボに足を伸ばしていただくと、少し先の未来をみることが出来ると思います。本当に未来が楽しみになるサイエンスカフェでした。

サイエンスカフェvol.03

デジタルファブリケーションは未来をハックする~拡張するクラフトとみんなでものづくりの未来を語る~

日時
2017年02月06日(月)19:00から20:30まで
料金
無料
定員
30
会場
BIZCOLI 交流ラウンジ